読むスピード、買うスピード

社会人になってから本を買う量が増えた。それは別に悪いことではないが、読むスピードを大きく上回るスピードで買ってしまうのはどうか。昔は絶対ありえないと思っていたが、積ん読に回される本が溢れ、ふと本棚を整理していると「こんな本買ったっけ?」ということがままある。例えば、橘玲マネーロンダリング入門」(幻冬舎新書)とかが本棚の隅っこに挟まっていたりする。
最近、日本の古代史への関心が高まっているのだが、ちょっと本棚を見ると数年前に買った古代史関連の本が並んでいた。その中の一冊、寺沢薫「王権誕生」を取り出して読み出したら、面白い。買ったはいいが、ほとんど読んでいなかった本だ。これは1巻目が発売後、毎日新聞の発掘ねつ造スクープでいきなり「絶版」になってしまったシリーズの2巻目。(もちろん、この2巻目にも問題があるということではありません)
積ん読といっても、いつまでも読まないわけではないのである。こんな風に急にその本を読みたくなることがあるものだ。このふと読みたくなる瞬間に、その本が手元になければ意味がない。時間が経ってしまえば、一瞬のインスピレーションはどこかへ消えてしまう。だから今日も私は本を買う。

王権誕生 (日本の歴史)

王権誕生 (日本の歴史)