ピノキオ作者の家

午前中、巨大な体育館のような建物のフィレンツェ中央市場を歩いていると、「La bottega golosa」(食いしん坊という意味だとか)という食料品店の前で「何かお探しですか」と日本人の女性店員に呼び止められた。日本人が経営する店まであるのかと思ったら、彼女はアルバイトだった。

店の前にピノキオの巨大な人形が置いてあったので、「作者はフィレンツェ生まれみたいですね」と昨日仕入れたばかりの知識を披瀝すると、親切で陽気な店員さんから「ピノキオさんの作者の生家がすぐ近くにあるんですよ」と予想外の答が返ってきた。

生家は中央市場前の広場から一本奥に入ったTaddea通りにあるという。早速行ってみると、古い4階建てぐらいの集合住宅がびっしりと立ち並んだ人通りの少ない路地裏である。それらしい家はすぐに見つからない。通り沿いのホテルのフロントやパトロール中の警官に聞きながら、ようやく集合住宅の一群に発見した。

正面玄関の上にイタリア語で「ピノキオの父『コッローディ』ことカルロ・ロレンツィーニが1826年に生まれた家」などと多分書いてある小さなレリーフがはめ込まれているだけで、今も一般の住宅に使われているようだ。ほとんど改装、改築されているのだろうが、福田康夫首相の「200年住宅」もびっくりである。

ダンテの家などのように観光名所にはなっていない。ペンネームの由来となったコッローディ村にはピノキオ公園があるようだが。

ところでピノキオの話は、童話の方もディズニーの方もあまり記憶にない。作ってくれたおじいさんの元を飛び出すという「およげ!たいやきくん」のようなストーリーだったような気がするけれど・・・。